秋色

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船釣りでの早起きや彼の朝帰りなどが続いて、生活リズムが崩れたのだろう。ここ半月ほど、なんだか時差ボケのような状態が続いている。朝は必ず5時前に目が覚め、そのぶん、夜眠るのも早くなった。睡眠も浅く、夜中に目が覚めるとそれからしばらく寝付けないこともある。今は仕事が落ち着いていてほぼ毎日定時で退社できるからいいのだけれど、また残業続きになるとつらいなぁ…と思いながら、今日も今日とて早寝早起き。やっぱり5時に目が覚めたけど、6時半までベッドに潜っていた。
早朝、肌寒さをこらえて窓を開け放ち、ぼーっとする時間は贅沢だ。ひんやりした風は秋の匂いがして、今日は何をしようかなと考える連休2日目の朝はとても天気がよかった。

彼に言われた「君には幸せになってほしい」という言葉が、時間が経つにつれてどうも引っかかるようになった。
「幸せ」ってなんだろう?
彼は、わたしにとっての「幸せ」をどう思っているのだろう?
少なくともわたしは、彼とこういう関係になる前までは、自分のことを「幸せ」だと思っていた。以前もここに書いたけど、彼氏の存在や結婚、妊娠、出産が叶わなくても、家族にも仕事にも人間関係にも恵まれているわたしってほんとうに幸せ者だと心からうれしく思えるようになっていた。
それなのに、「幸せになってほしい」って、よくわからない。そんなふうに言われたら、今のわたしがまるで「幸せじゃない女」だと見下されているようで腑に落ちない。だいたい、わたしのことを弄ぶようなひとに、わたしのことを幸せにする覚悟もないひとに、そんなことを言われたくない。なんだか納得できない!

わたし、この数日で、自分のことをやっぱり幸せ者だとあらためて思ったんです。
自分勝手な理由で彼との社会的に許されない関係を赤裸々に綴り、きっとたくさんのひとたちを幻滅させたと思うのに、直接受け取ったのはどれもこれも温かい言葉ばかりだった。見ず知らずのこんなどうしようもない人間に、こんなにもやさしい言葉をかけてくれるひとたちがいるんだなぁ…って、びっくりして、すこし戸惑って、でもとってもうれしくて、ありがたくて、わたしって本当に幸せ者だなぁ、と心から思った。

満たされていたようでどこか満たされていなかったわたしが、いつも“見ないふり“をしていた寂しさを埋めるには、彼は格好の相手だったのかもしれない。だから誘惑に負けて、結局自分で自分を傷つけてしまった。どうして、わたしはわたしを大切にしてあげられないんだろう。どうして、誰かの気持ちばかり優先してしまうんだろう。目先の誘惑に目が眩んだとしても、その先にあるもっと大切なことにどうして気付けないんだろう。そんなことを考えながら、でも、やっぱり、わたしはそういう自分もちゃんと認めてあげたいと思った。
秋色チェックの可愛い生地にちょっとテンションが上がったり、彼のことを考えながら黙々と型紙を取ったり、「今夜は何を食べようかなぁ」と考えたり、親友の結婚式が心から楽しみだったり、苦手な仕事に押し潰されそうになっていたり、ミスチルをエンドレスで流しながら彼のことを思い出したり、温かいコメントを読んでちょっぴり涙ぐみながら「幸せ者だなぁ」ってひとりでにやけちゃったり。
どれも、これも、ぜんぶ、ぜんぶ、嘘偽りのないわたし。

わたしはいつだって、自分にとっての幸せは自分で決めたい。
誰かに決められるものじゃない。誰かに測ってもらうものでもない。
わたしがわたしを好きでいたいから。自分で自分を幸せにしてあげたいから。

7月、東京出張から帰ってからのわたしは、明らかに気の持ちようが変わった。生きるのがとても楽になって、何をしていても楽しくて、ひとりでも、誰といても、幸せで。仕事も自分なりにがんばって、職場でもみんなに可愛がってもらって、友達の幸せも心から喜べるようになって、気持ちに余裕ができて、あまりいらいらしなくなって。
たぶん、彼はそんなわたしを好きになってくれたんだろうなぁ。
そう思うと、あの出張の帰り、空の上で過ごした一時間半はわたしにとっての転機だった。

たくさんのコメントをありがとうございました。
そっと見守ってくださっている皆さまにも、ありがとうございました。
なんだか取り留めのない日記になってしまったけれど、どうしてもお礼を伝えたくて。
これから秋色チェックの生地の裁断に入ります。素敵なブラウス、できるといいなぁ!

墨色

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ちょっと前の話だけれど、港での海釣りに行った仲間とともに今度は船釣りを決行した。
深夜3時、後輩の車で一路余市へ向かう。仄暗い、魅惑の朝焼けに染まる海に浮かぶ船の灯り。今回はイカ釣りだった。

釣り針に指を引っ掛けて流血したり(ほんとうに酷い目にあった)、酔い止めを飲むのが遅くなってちょっと船酔いしたり(わたしはなんとかセーフ)、そもそもイカがなかなか見つからず船長さんが焦り出したり…。トラブルはいろいろあったものの、4人でお腹いっぱいになるくらいにはイカが釣れた。わたしも6杯釣ることができた。

翌日、みんなを我が家にご招待してそれぞれ思い思いに調理した。わたしは釣ったその日に眠たい目をこすりながらイカと大根の煮付けを仕込んでおいた。課長はホイル焼きを準備してきてくれて、「とりあえず捌いてきた」という後輩のイカはグリルで姿焼きにしたり、イカリングフライにしたり。もちろんお刺身も準備した。何から何までイカ尽くしの豪勢なパーティーだった。
「また船釣りをやりたいね」とみんなで話していたら、後輩がまたサクサクと予定を立ててくれて、10月にもう一度行ってくる予定。そのころにはきっと海の上は凍えるほどに寒いだろう。「アウトドア用の防寒着を買わなくちゃ」なんてみんなでわいわいと話す時間もこれまた一興。こんな楽しい思い出なら、もっともっとたくさん作っていきたいのだけれど。

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船の上で墨を吐きながら元気に泳いでいたイカたち。帰るころには愛着がわいて、自分で〆るのがとてもかわいそうだったから、課長にお願いして〆てもらった。

みんなおいしかったよ。ありがとう。
命をいただくってこういうことなんだなぁ、と実感した一日だった。