Pumpkin yellow

ひとりで歩く帰り道。
18時の札幌はもうすっかり夜の帳が下りている。
空には星がきらきらと瞬いて、見上げながらふと思う。

空の上って、そんなにいいところなのかな。
だとしたら、わたしも行ってみたいな。
車にぶつかる?
会社の窓から飛び降りる?
自分のおうちのクローゼットで首を・・・

いやいや。
わたしは縄をかけたつもりの首を横に振る。
わたしにはできっこないな。
どんなにつらくても、くるしくても、みじめでも、むくわれなくても、
この二本の足で地面に立って、生きていくよりほかないんだ。

いい年してヘタクソな恋ばかり。
仕事だってうまくいかないことのほうが多い。

「みんなができることが、わたしにはできない。」
光浦さんのエッセイ、心の底から共感しかなかった。
回収してみたいもうひとつの人生――すぐには思いつかないけれど、
たぶん、もうひとつやふたつどころじゃない気がしている。

なんだか久しぶりに泣いちゃったな。
ぽろぽろ、ぽろぽろ、涙がこぼれて目の前が滲む。

家に帰って大きな鍋にたっぷりの豚汁を作った。
かぼちゃも炊いて、ごはんも炊いて、
あぁ、おいしいなぁ。

うれしいことも、かなしいことも、ごはんがおいしいことも、
生きるって、たぶん、そういうこと。