新緑

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南のほうのパン屋さんまでポロクルを走らせ、お目当ての食パンのほか、あんぱんやクロワッサンなどを買った。東に向かってペダルを踏んで、不慣れな道をのんびり進む。パークホテルのポートに返却。天気がよく、ほどほどに暑く、中島公園に行ってみようと思ったのだけど、その前に豊平川の遊歩道をのんびり歩くことにした。
川は澱みなく流れ、空はただ青かった。幌平橋の駅までたどりつき、中島公園を南側から歩くことにした。ベンチに腰掛け、小川のせせらぎに耳を澄ませながら、さっき買ったあんぱんをほおばった。こしあんの甘さ。けしの実の香ばしさ。小鳥のさえずり。若くて力強い、緑のにおい。

この春札幌を去った上司が、「豊平川沿いのマンションに住んでいる」と話してくれたことがあった。昨年、一度たりともこのあたりに寄りつかなかったのは、できるだけ、彼の私生活を遠ざけていたかったからだ。
久しぶりに思い出した。「元気にしているかな」なんて至極ありきたりなことを、ちょっとだけ考えた。

祖母が、庭でとれたニラとアスパラとフキを送ってきたと母親が連絡をよこした。一度自宅に帰り、洗濯物を取り込んでから、おすそわけをもらいに実家に行った。
11,683歩。よく歩いた一日。

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翌日も天気がよく、いてもたってもいられず、旭山記念公園へ行ってきた。徒歩で。
上り坂には想像以上に苦労したけど、景色も想像以上にすばらしかった。
帰り道、ライラックはもうそろそろ終わりだろうか…と薄紫色の花を見上げると、ポプラのふわふわがたくさん舞っていた。陽光にきらめきながらただよう綿毛は、まるで初夏の雪のようでとても幻想的だった。
人間が自粛をしていても、季節はすこしも歩みを止めない。置いてけぼりにされたようでなんだか寂しい気持ちになるけど、自粛でも、そうじゃなくても、流れる毎日に置いていかれないよう自分自身が歩き続けたい。

ホームセンターに立ち寄って、アイビーとポトスの苗を買った。先住のガジュマルとカポックとともに、午後はベランダで植え替えをした。ガジュマルは5年、カポックは8年育てている。新しい友人たちも、長く大切に育ててあげたい。
11,701歩。夜、すこし足がだるかった。

今日は札幌の中心部へ行き、帰りにドラッグストアに寄って帰った。緊急事態宣言明けの週末だけれど、思ったほど人はいなかった。
7,641歩。こんなもんかな。

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ブルーインパルスが東京の上空を飛んだというニュースを見た。みんなが、同じ空を見上げて笑っていた。東京駅で、東京タワーで、スカイツリーで、新宿で、職場で、自宅で、病院の屋上で。
こういうの、いいなぁ、と思ったよ。素敵だなぁ、と思った。心から思った。

札幌では、JRタワーが笑っていたよ。