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仕事に忙殺されている。
家にたどりつくのは日付が変わるころ…というのがもう何日も続いていて、夕食もろくに食べず、お風呂にも入らず、なんとかメイクだけ落としすぐに寝ることで睡眠時間だけは確保している。

ここにきてなぜこれほどまでに仕事ばかりしているのかというと、今、ある締め切りに追われていて、毎日苦手な数字や計算と格闘しているからだ。
昔から自他ともに認める算数嫌い。それでも、自分がこんなにも数字に対してアレルギーを持っていることは初めて知った。社会人のはしくれとはいえ「これはマジでやばいかも…」と危機感を抱くほど。
締め切りに追われながら、数字をいじって適切な目標値を定めたり、計画通りに進捗しているのか分析したりするのがわたしの仕事。でも、「計画値に対してこれくらいの実績なら、年度末までにこれくらい収入が増える見込みだよね。だからこの数字はちょっとふかしすぎてない?」と言われても、「どうしてその数字になるの?どうしてそんなことがわかるの?ねえ、なんで??」と課長に聞いている始末…。これじゃあ、数字を扱っているというより、数字に遊ばれているのではなかろうか。

これまで、「数字は苦手」「数字は嫌い」とできるだけ目を背けてきたし、それが許される環境だったけれど、今は違う。もう逃げられない。だから、これを機に腰を据えて勉強してみようと思った。今日、さっそく本を買い込んだから、少しずつ読み進めることにした。

正直、慣れない仕事、しかも苦手な仕事に追われる日々は、思ったよりもかなりしんどかった。札幌に転勤になってハッピー!だけじゃもちろんすまなかった。
これまでも、福岡に行ったり、広報に行ったりして、何度か異動を繰り返すたび、わたしは同じようにしんどい期間をなんとかやり過ごしてきた。そうしているうちに、なんとなく仕事にも慣れて、自分の思いどおりに動けるようになって、最後は「楽しかった」「離れたくないな」と思うようになる。そういう経験があるから、努力さえすればきっと大丈夫だと、まだそこまで悲観的にはなっていない。それだけが、唯一の救いかもしれない。

わたしは昔から、ひとつうまくいかないことがあると、それまでの自分をすべて否定するようなところがあった(すぐ「死にたい」とか言っちゃう)のだけど、最近はなるべくポジティブにとらえられるようになってきた。というか、そういう訓練をしている最中、というか。
何かできないことがあったら「どうやってできるようにするか」とか、何か失敗したら「次はどうやってうまくやるか」とか、次のこと、明日のこと、未来のことを考えるように、いや、考えようとするようになった。31歳にもなって何を言っているんだと思うけれど、これはわたしにとってとてもいい変化だし、そういう前向きな自分のことをちゃんと愛してあげたいと思う。

いや、正直に言えば、明日起きたらまた会社に行かなくちゃいけない(そして大嫌いな数字とにらめっこしなければならない)のが死ぬほどいやだし、できれば仮病でも使って休みたいくらい。でも、いつかこの壁を越えることができたら、仕事も楽しくて札幌での生活も楽しくてパラダイスな日々がきっと待っているから、そのときを夢見て諦めずにがんばりたい。

少しずつでもこつこつ積み重ねた先の景色が、今から楽しみだ。