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彼からまた頻繁に連絡が来るようになった。

週末は都内で仕事。取材の予定。同行するカメラマンは彼。
「お休みの日なのにすみません!」というわたしの言葉に、「君がいるから休日の仕事でも楽しみだよ」と、さらっと言ってのけるようなひと。「明日は飲み会なんです」と話せば、わたしが彼の知らない男性と良い仲になってしまうんじゃないか?と、いつも心配するようなひと。

22時まで残業していた。やっとのことで帰路につき、数時間ぶりに触った携帯。彼から当たり前のように返事が来ていた。「今から帰る」と、まるで恋人のように連絡する。
「遅くまで仕事しているんだね。今、大切な時期だもんね。気をつけて帰ってね」
わたしの会社とは長いお付き合いの彼。今がまさに正念場だと、何も言わずともわかってくれている。彼が電波に乗せて届けてくれたその言葉は、わたしにとってまるで一日のご褒美のようだった。
「今日も忙しかったけど、あなたから連絡が来て元気が出ました。ありがとう」
わたしは素直にそう伝えた。

うぬぼれかもしれないけど、たぶん、きっと、彼はわたしのことをまっすぐにすきでいてくれているんじゃないかと思う。思わせぶりな言葉も、甘いセリフも、彼の本心だったらうれしいと思う。そんなふうに思うようになった。自分史上最高に忙しい毎日でも、時折届く彼からのLINEに、わたしはすこし余裕でいられる。ふれそうで、ふれられなくて、歯がゆくてもどかしいのに、彼との文字のやりとりはなぜだかとても心地いい。

だから、もし、もしも。
彼がほんとうにそのつもりでいてくれるなら、わたしもきちんと考えたいと思う。

「ありがとう」と「ごめんなさい」の狭間で揺れている。
悩ましい日々が続く。