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ジムに行って体を動かしてきた。
昨夜のもやもやをすっきりさせたかった。

もう、これ以上はないだろうと悟った。たったひとつ、救いがあるとすれば、彼とはこれからも仕事でコンスタントに会うだろうということ。これっきりになる関係じゃなくてよかった。なにが「よかった」なのか、わからないけど。
文句ないステータスでルックスも申し分ないのに、彼が独身でいる理由がなんとなくわかった気がする。彼氏なら我慢するけど、生涯添い遂げようと思ったときにどうするのかな…というか、そういう類のこと。
もちろん、わたしがこんなふうに彼を見ている間、彼だってわたしをしっかり品定めしただろう。「すぐに手をつないでくれる子がタイプ」って言ってたの、わたしは聞き逃さなかったぞ。

すきなひとにふられて散々泣いて、やっとの思いで「しばらく彼氏はいらないや」という境地に至ったのに、彼にちょっとアプローチされたのをいいことに、わたしの気持ちは大きく揺らいでしまった。
男のひとのとなりでしおらしく笑っているのも居心地がいいし、おもしろいものを見て「おもしろいね」って、おいしいものを食べて「おいしいね」って、日々のなんでもないことをいっしょに味わってくれるひとがそばにいることのしあわせを思い描かずにはいられなくなってしまったんだ。
その相手が彼だったらいいなと思わなくもないけど、彼に執着したくなるのは、彼がほんの少しでもわたしに興味を示してくれたからだろう。いろいろなやりとりがあったけど、彼のわたしへの興味も薄れてしまったようで、たぶん、きっと、ふたりで会うことはもう二度とない。

とは言え、昨夜はとても楽しい時間だった。「仕事で会うときには普通でいようね」と、そんなことを言って別れた。帰りの電車でお礼のLINEを送った。返ってきた「またよろしく!」のお返事は社交辞令なんだろうな。
彼は、最後の最後までやさしいひとだった。

飾ることなく自分の気持ちをここにしたためたら、すこしすっきりした。本気になる前でよかった!と、今はそう思うことにする。
明日からまた仕事に邁進します。