空色

有川浩の『空飛ぶ広報室』という本を読んだ。本屋で平積みになっていた文庫を手に取り迷わずレジに向かった。この4月に文庫化されたばかりのようで、このタイミングでこの本とこんなふうに出合うことになるなんて驚いた。
わたしもこの4月から広報マンになった。これまで携わってきた業務を振り返れば、まさに他の会社に転職したような気持ちで仕事をしている今日この頃。迷う。慣れない。わからない。昔から絵を描いたり文章を書いたりデザインを考えたりすることが好きだから、「向いてると思うよ」「ぴったりの仕事だね」ってみんなにそう言われるし、わたしもそう思うんだけど、残念ながら、この仕事のおもしろさがわかるようになるにはまだまだ時間が必要だ。
毎月1回、社内報の編集後記を書くという仕事があるんだけれど、「社内報なんて見ないよ」と言っていたすきなひとがほんのちょっとでも最後のページをめくってくれていたらいいな…と思いながら、わたしは今月もその200文字に頭を悩ませている。

今日も天気がよかった。散歩がてら初めて近所の図書館へ行って、本を5冊借りてきた。福岡にいた2年間、自転車通勤だったこともありしばらく読書から遠ざかっていたけど、これから少しずつ読書量を増やしたいと思う。何か仕事に繋がるようなちょっとしたヒントを得られたら…なんて淡い期待も込めながら。
久しぶりに履いたサンダルが靴擦れしたから電車に乗って帰ってきた。スーパーに立ち寄り、夏野菜が陳列されはじめたことにほんの少し喜びを感じてあれこれかごに入れる。なす、にんじん、かぼちゃ、ズッキーニ、エリンギを素揚げして煮浸しにしたもの。豚こまをかりかりに炒めたもの、鶏肉を梅としそとみょうがで和えたもの。インゲンの胡麻和え。ほうれん草のおひたし。週末のうちにいろいろ作り置きしてみたものの、ふと、木曜日の夜から仙台へ行くことを思い出した。

すきなひととの話もなくなっちゃったし、ここに書き記しておくようなこともあんまりない毎日だけど、未だ慣れない生活に少し戸惑いを感じつつもわりと平穏に暮らしてます。