coral pink

f:id:irodori-no-sekai:20160217214415j:plain

インテグレートグレイシィのネイルがすき。ベージュカラー147でグラデーション。ベージュというより、ほんのりコーラルピンクのような色。人様に自慢できるようなきれいな手じゃないけれど、指先だけでも春らしく。

バレンタインデーの話をしよう。
すきなひとは飛び石連休を5連休にして埼玉に帰ってしまっていたから、わたしにとって、今年のバレンタインデーは2月16日だった。16日の朝、紙袋を手にぶら下げて出勤し、自分のロッカーにそっと忍ばせておいた。暗く狭いロッカーの中で、わたしのガトーショコラはずっと出番を待っていた。
お昼休み、会社のパソコンで彼にメールした。「こっそり渡したいものがあるから、よかったらいっしょに夜ごはんを食べに行こう」って。しばらくして彼から返事が届いたんだけど、「休暇明けで今夜は残業になりそう」と断られてしまった。「明日の夜ならがんばって仕事を調整するよ」と言われたものの、今度はわたしに外出の予定が入っていた。「遅くなってもよければ明日にしよう、だめならまた今度にしよう」と彼に問うてみたら、彼は「遅くなるのはいいんだけど、どうせ俺も残業になるだろうから、またの機会にしよう」と言った。
いっしょに夜ごはんを食べに行って、直接紙袋を手渡そうと思ってた。でも、できなかった。ここのところ、彼がものすごく忙しそうなことは知っていたから、こういうかたちで誘いを断られたことについては気にも留めなかった。きっとだめだろうなという予感もしていた。もちろん、断られたときは「あーあ」と思ったし、ちょっと寂しかったけど、「こればっかりはしかたない」とすぐに諦めがついたあたり、わたしもすこしは大人になったかな?と自分で自分を褒めてあげたい気持ち。
「渡したいものは2日遅れのバレンタインで、わたしのロッカーに紙袋があるから持って帰ってね」とだけ最後に伝えておいた。(私服勤務なので、マイロッカーは男性も女性も同じ場所にある。)今朝、ロッカーを開けてみたら紙袋はなかった。「最近ボケてるから、もし持って帰るの忘れてたら明日もらうよ」なんてメールで言われてたんだけど、彼、昨日のうちに忘れずに持って帰ってくれたみたい。会社のひとが大勢いる中で彼にだけ渡すことはできないから、これでよかったんだと思う。
そして今日、わたしは会社に携帯を置き忘れたまま外出してしまい、ほんとうはまっすぐ家に帰るつもりだったのに、会社に戻らざるを得なくなってしまった。19時過ぎに会社に着くと、ノー残業デーにも関わらずひとがちらほら残っていて、その中に彼もいた。決裁文書にスタンプをぺたぺた押している彼の後ろからそっと顔を覗き込んでみたら、彼、ちょっとびっくりしてた。「携帯忘れて戻ってきたの」と、それだけ伝えてわたしはすぐに彼に背を向けた。会社を出て、自転車に乗り、冷たい風を切るようにして家に帰った。指先も爪先も痛いほどに冷え切って、寒い、寒い、夜だった。
あんなに残業嫌いの彼が、毎日のように残業を余儀なくされるほど忙しそうにしてる姿を見たら、やっぱり無理には誘えないよね。「またの機会にしよう」とはっきり言ってくれてよかったと思うし、彼がそう言い出せるように逃げ道を残したわたしはきっと正解。

先日、上司との面談で「4月からのことなんだけど、異動になると思ってもらって間違いないよ」と言われた。「引越しが必要な異動ですか?」と尋ねたら、それはまだ公には言えないらしい。「わかったら教えてあげる」とは言われたものの、なんだかどきどきしちゃう。
もし、4月以降、彼と離ればなれになるんだとしたら、どんなかたちであれわたしは彼にちゃんと自分の気持ちを伝えたいと思う。ただ、彼に「すき」と告げたとき、気持ちが通じるよりも「ごめんね」と言われる可能性のほうがうんと高いような気がしているんだけど、いざそうなったら、わたしはいったいどれほど嘆き悲しむのか、ぜんぜん想像できなくて怖い。たった2文字を伝えるだけでこんなに勇気の要る言葉もなかなかないよ。でも、だからこそ、たいせつに伝えたい言葉でもあるんだね。

星が瞬く。きらきらしている。どうしたいのかは、自分が決める。