紫水晶

埼玉にいたころいっしょに働いていたひとつ年下の後輩が、この4月に福岡にやってきた。突然の転勤辞令は今年も相変わらず。でも、彼はさほど戸惑うことなくすべてを受け入れたようだった。もともと飄々としているというか、淡々としているというか、何を考えているのかよくわからない…というのが彼の印象だけど、組織の一員として働く者にとって、“自分を守る”という意味ではそういうのが大切になる場面も案外多いのかもしれない。
土曜日、電化製品を買いに行きたいと言うので天神や大名のあたりを案内してあげた。後輩も早く福岡に慣れて、この街での暮らしを楽しんでくれたらいいなと思った。

日曜日の今日、アイスブルーの空は晴れとも曇りとも言えず、僅かに光が届く程度だった。布団を干すことを諦めたわたしはひとりで博多駅まで出かけた。ゴールデンウィークに旅行を予定している新幹線の切符の受け取りと観光列車の予約のためだ。ゴールデンウィークまでとうに一ヶ月を切ったこのタイミングで旅行の段取りを始めたことについては、自分でも動き出すのが遅すぎると思う。とは言え、連休合間の平日2日間を年休消化に充て、そこを狙っての予約だったからか、案外スムーズにすべてが整ってほっとした。
行き先は鹿児島。初日は指宿、翌日に知覧をまわってから鹿児島市内へ入る予定。自他共に認める“肉食系女子”(ただし食べることに限る)のわたしは、黒豚のとんかつとしゃぶしゃぶが大いに楽しみである。普段はほとんど飲めない焼酎だって、本場でいただく地場のものならこれを機に試してみたい気もしてる。
博多駅に出たついでに、久しぶりに買い物をした。春物のスニーカーと、ずっとほしかったTシャツ、そして白いシャツワンピースを購入。一番のお気に入りはシャツワンピースで、シンプルでありながらディテールへのこだわりとかわいさへの追及が随所に感じられるデザインに惚れ込んだ。いい年をしてこんな服…とは思ったけれど、いくつになっても自分が「すてき!」「かわいい!」と心から思えるお洋服に身を包んで生きてゆきたいと思う。

外は雨が降り出した。ベランダの手すりに打ちつける雨音を聞きながらこのブログを書いている。明日からの一週間も、きらきらと光に満ち溢れた毎日でありますように。