aqua

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ひたすら仕事に追われていた。
仕事や自分のキャリアよりもプライベートを大事にしたいわたしにとっては、ここ最近の生活が苦痛でしかない。朝起きて仕事に行って夜遅くに帰ってきて、夕食もままならないまま慌ててお風呂に入って死んだように眠る。その繰り返しに何の楽しみがあるというのだろうか。
ただひとつ救われているのは、周囲の人間関係には困っていないこと。上司も先輩も優しい。同僚もいいひとがほとんど。(ただし例外もあり。)でも、それって結構大事だと思う。

忙しさの中で自分の時間が取れないことが一番のストレスだ。それに加えて中途半端な責任感の強さがさらに輪をかけてわたしを追い詰める。仕事ができない自分自身に対する苛立ちなのか、相手への怒りや憎しみなのか、はっきりとは区別できないそんな重苦しい気持ちを募らせた結果、わたしは久しぶりに声を上げて泣いた。悔しいとかむかつくとか腹立たしいとかイライラするとか、ぶつけようのない感情のせめぎあいにこころがぽっきりと音を立てて折れたのがわかった。「明日は会社を休もう」と心に決めた。それが木曜日のことだった。
「今日は午後から会社を休みます」と上司に宣言した金曜日、お昼休みを知らせるチャイムが鳴ると同時にすぐに会社を出た。観たい映画があったけど、まずは郵便局に行って記念切手をいくつか買った。郵便局は平日じゃないと開いていないから、こういうときに行かないとチャンスを逃してしまう。外に出たら本降りの雨。傘を差しながら自転車に乗って帰宅した。全身びしょ濡れになって、映画館へ出かける気力も失せ、こたつにもぐって暖まっていたら知らないうちに眠っていた。目を覚まして夕食を作った。一週間ぶりに自分で作ったごはんだった。後片付けを終えて映画の時間を調べてみるとぎりぎりレイトショーに間に合いそうだったから、急いで準備して出かけた。雨は上がり、薄雲の合間から小さな月が見え隠れしていた。
仕事がたまっている中、休むことに若干の抵抗もあったけど、思い切って休んでよかったと思う。映画はすばらしかった。今年初めて観る映画にふさわしい作品だった。

この前、とても久しぶりにすきなひとと顔を合わせた。「なんだか久しぶりな気がしますね」と彼に言われて、「そうですね」なんてつれない返事をしたけれど、「あぁ、このひとも同じことを思っていたのか」と思った。
会いたい。その気持ちに素直になろうと思ってすきなひとにLINEを送った。返事は来ないまま、淡々と時間だけが過ぎてゆく。「寒いからいっしょにもつ鍋を食べに行こう」なんて、もつ鍋を食べたいというのはただの口実でしかなくて、わたしはただ、彼に会いたいだけ。

いろいろなことがあるけれど、風邪をひかず、インフルエンザにもならず、ノロウイルスにも罹らず、一人前に文句を言えるだけの元気があることについては感謝したいと思う。