淡雪

先週の名古屋出張中、めずらしくすきなひとからLINEが届いた。月曜日に飲み会があるから参加しないか?というメッセージだった。ノリで決まった飲み会だから、もし流れたらふたりで飲みに行こう、とも言われた。二つ返事で承諾して迎えた月曜日、彼は風邪をひいて飲み会どころではなくなり、わたしも急に仕事が忙しくなって連日早出をしては夜遅くまで残業の一週間。結局、月曜日の飲み会は延期(?)してもらったらしい。

ほんとうは、明日、彼とふたりで柳川に行こうと約束していたんだけど、それだけを楽しみにこの一週間死に物狂いで働いたんだけど、昨日久しぶりに会った彼が思ったより重症のようだったから、わたしのほうから「柳川に行くのは桜が咲く季節まで待ちましょう」と言った。彼に変な気を遣ってほしくなかったし、何より、冬の福岡はとにかく寒いことがわかった。こんなとんでもない寒さの中、たとえ彼が少し元気になったとしても、病み上がりの身体で外を歩き回ることがどれほど酷なことか、それくらいわたしにだってわかる。
月曜日の飲み会につづき土曜日の約束までも反故にしてしまった、と彼は彼なりに気にしているのだろう。(わたしはまったく気にしていないのに!)「お気遣いありがとう」ということと「申し訳ない」ということ、「でも、食事くらいならいっしょに行けるよ」という返事をもらって、「じゃあ、週末は暇してますから、体調がよくなったらお食事に誘ってください」と伝えておいた。

とは言え、たぶん、彼からのお誘いはないだろうと察しはつく。彼はそうまでしてわたしに会いたいわけじゃない。わたしが土曜日を楽しみにしていたことを知っていて、それをふいにしたことに対するせめてもの気持ちでそう言ってくれているだけ。書いてて虚しくなるけど、事実そうなのだから仕方がないとわたしも諦めている。
「食事くらいなら行ける」と言われて「じゃあ行こう!」なんて言う気にはならなかった。そんなことするくらいなら早く元気になってほしいと思った。有り余るほどのわたしの元気を彼にも分けてあげられたらいいのに!と思った。飲み会だって、柳川だって、彼が元気になったらいつでも行けるんだから。

ぽっかり予定が空いた土曜日。休日出勤しようかとも思ったけれど、やめた。忙しかった一週間、食べるものもままならなかった自分の身体をとことん労わってあげる週末にしようと思う。