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木曜日から名古屋へ出張していた。ホテルに一泊、妹のところに一泊して、今日福岡へ帰ってきた。名古屋の支社には埼玉でお世話になった上司が何人かいて、久しぶりに会えたのがとてもうれしかった。「九州でもがんばってね」という声がとても温かくて胸に沁みた。がんばらなくちゃ、と思った。

今日、妹は急遽仕事が入ってしまい、わたしは夕方の新幹線で帰るまでひとりで過ごすことになってしまった。朝早くに家を出たわたしたちは、いっしょにコメダ珈琲でモーニング。ミニシロノワールも頼んでふたりで半分ずつ食べた。食後、ぬるくなったミルクコーヒーを一気に飲み干した妹は足早に仕事へ向かい、わたしは出し忘れていたPostcrossingのポストカードを書きながら土曜日の街が動き始めるのを待った。
午前10時半、特に当てもなく地下鉄に乗り込み、雨の中、傘を差しながら本山の雑貨屋を訪ね歩いた。かわいらしい紙モノや手づくりの温かみが伝わるアクセサリーを手に取ったり、お店のひとと他愛ない会話を楽しんだり。めずらしい石鹸と、すてきなポストカードを買ってほくほくしながら覚王山へ。「おいしすぎて感動する」と妹が絶賛していた小さな洋菓子店に立ち寄り、フィナンシェとマドレーヌ、それからオートミールのクッキーを買った。フィナンシェはすきなひとへのおみやげにしよう、と思った。
引き続き覚王山にて。日泰寺の参道をてくてく歩きながら午後1時、おいしそうなカレーの匂いに誘われて「えいこく屋」の扉を開けた。待ち時間なく席に案内され、ランチセットを頼んだ。カレーはいくつか種類があって、わたしは迷わずチキンカレーをチョイス。このお店は“ナン”がおいしいという噂を耳にしていたけど、今日はお米をしっかり食べたい気分だったからライスにした。カレーもライスもすぐに運ばれてきて、そのいい香りに思わずお腹が鳴った。穏やかな、それでいて舌にぴりぴりと残るスパイシーなカレーは固めに炊き上げたサフランライスによく合う。付け合わせのピクルスも、ココナッツミルクを混ぜたケチャップも、どれもとってもおいしくてあっという間にぺろりと平らげてしまった。
そして何より驚いたのが食後のチャイ。「えいこく屋」はインド料理と紅茶のお店として知られているけれど、この食後のチャイのおいしさにはほんとうに感動して、となりの紅茶専門店(こちらも「えいこく屋」)で思わずチャイ専用の茶葉を買ってしまったほど。これからの季節、家で実際に温かいチャイを淹れて楽しめるのがうれしくて、とっておきのおみやげになった。
歩き疲れて再び地下鉄に乗り込んだ。名古屋駅でコンパルのエビフライサンドを買ってから新幹線に乗ろうと思っていたけど、この名古屋出張、思い返せばカジュアルフレンチのお手ごろランチにはじまり手羽先、ひつまぶし、アップルパイ(これも絶品で名古屋に行くたびに食べている)、超巨大エビフライ、モーニング、シロノワールインドカレー(、洋菓子屋さんの焼き菓子たち)と、さすがのわたしもここ数日のエンゲル係数の高さに少々怖気づき、エビフライサンドは諦めて帰ることにした。雨上がりのアスファルトは夕焼けにきらきらとうつくしく、名古屋の街を染めていた。

福岡に帰り着き、博多駅のイルミネーションが思いのほかきれいで、夜7時半、きっと自宅でひとり暇を持て余しているであろうすきなひとを呼び出してみようかとも思ったけれど、そんな勇気があるはずもなく、わたしはおとなしく家に帰ったのだった。
そしてこれから「SONGS」を観る。久しぶりにTVで聴ける『名もなき詩』がとても楽しみ!