moon gray

『泡のような愛だった』というタイトルに妙にひきつけられて、わたしは初めてaikoの新しいアルバムを買った。
いろいろなことがあって、いろいろなことを考えたこの数週間を、わたしはずっと忘れない。aikoのこのアルバムを聴くたびに、わたしはきっと思い出す。

終わりは突然やってきて、待つことも追いかけることもできなくて、不器用なわたしはそんなことを繰り返してばかり。道ばたに転がる石ころを蹴とばしながら帰るような、そんな気持ち。うつむきながらほほ笑むのは、別に無理をしているわけじゃない。
「ありがとう」も「さようなら」も、まったくいらなかったと言えば嘘になるけど、そういう言葉を伝えること自体があまり意味を為さなかったような、そんな気がした。だからわたしは、なにも言わないでおく。終わりのはじまりに、また新しいスタートラインに、わたしは今、ひとり黙って立っている。

思ったよりもこころは穏やか。わたしはこれからすこしずつ、この気持ちに慣れて、そして今よりもっと鈍感になってゆくだろう。梅雨が過ぎ、夏が来て、じりじりと焦がす太陽の下、こっそり消えゆく水滴みたいに想いを昇華させながら何事もなかったかのようにして日常を続けるはずだ。ただ、変わらないのは、きっとこれからも“未来のない恋”を密やかに続けてしまうこと。

忘れたいことも、忘れたくないことも、これまでたくさんあったけれど、そのどれもをたいせつにしながら、生きてゆけたらいいと思う。