照柿

GWとはいえ春がきたばかりの、淡いオホーツクブルー。

孤高のエゾシカ、黙々と草を食んでいる。知床にて。

羽を広げたような夕焼け空。こちらもオホーツク海


旅に出る前日は、いつもそわそわと落ち着かない。目的地の天気はあいにくのようだけど、「雨女だからしかたない」と諦めた。二年前に祖父が亡くなったとき、火葬場で祖父の亡き骸と一緒に焼いてもらった10円玉のお守りを持っていくことにする。そして一年ぶりに、祖父のお墓参りをしようと思う。

昨日、すきなひとに会った。目礼だけ交わしてエレベーターに乗った。わたしの前を歩いてゆく彼の背中が遠かった。しばらく会えなくなるなぁ、と思ったけれど、わたしはやっぱり声をかけることが出来なかった。それでも、旅に出る前に、ひと目会えてよかった。

台風が来るという。逃げるようにして東京を去り、日々秋色に染まりゆく北の大地へ旅に出る。黒岳は、早くも山頂から紅葉が降りてきているという。今夏、日本列島を襲ったとんでもない暑さによって、「紅葉」なんて言葉もすっかり忘れていたほどだった。
不安と期待と楽しさを胸いっぱいに思い切り楽しんだら、こころもからだも元気になって帰ってこよう。