ちょうど4年前になるらしい。まだ大学生だったわたしが撮った写真。
このころはカメラに興味こそあれど、構図のバランスや背景のボケ、写りの違いに楽しさを見出すことなんてこれっぽちも考えたことがなくて、「見たものを見たままに撮ることはむずかしいんだなぁ」と思っていた。
カメラに興味を持ったのは中学1年生の夏休み。北海道斜里郡小清水町という小さな町にある「フレトイ展望台」から見下ろした景色の美しさを、どうしてもとっておきたかった。夕焼けに染まり水面がきらきらと輝いた涛沸湖や、橙色の空とオホーツクブルーの海とのコントラストに目を奪われたあの日。当時は使い捨てカメラしか持っていなかったけど、眼前に広がる正統派の美しさに夢中でシャッターを切った。現像に出したカメラと引き換えに手に入れた数十枚の写真は、わたしに「写真」の魅力を伝えるには十分だった。
大学生になって、アルバイトを始めて、生まれて初めて手にした“お給料”で念願のデジカメを手に入れたときは本当にうれしかった。「自分のカメラを持ちたい」という、長年の夢が叶った瞬間だった。

68回目の「あの日」を迎えた今朝8時15分、わたしはちょうど駅に向かって歩いていた。ホームに着いて流れる汗をひと拭きし、携帯を見ると時計は8時17分を指していた。2分遅れてしまったけど、わたしはひとりで黙祷をした。その後、すぐに電車がホームに滑り込み、わたしも人の流れに飲まれながら電車に乗った。
今朝の埼玉は、分厚い雲に覆われていた。夕方になるとどしゃ降りの雨が降った。会社を出るころには止んで、夕日が顔を覗かせていた。乱反射した光は空を紫に染めていた。とてもきれいな紫だった。