heavenly blue

風立ちぬ」を観に行った。すきなひとが誘ってくれた。すきなひとのすきなひともいたから、三人で行った。
わたしは、二郎の台詞が棒読みで腹立たしくなったことを除けば、ジブリらしく細部まで作りこまれた画に見とれたり、二郎の朴訥な好青年っぷりにドキドキしたり(こんなひとと結婚したいけど、現代の日本ではめったにお目にかかれないだろうなと思った)、菜穂子の儚げな美しさに惚れ惚れしたり、それなりに楽しんで観ることができた。
でも、すきなひとは「つまらなかった、駄作だった」とひとしきり文句を言っていた。すきなひとのすきなひとも、「飛行機を設計するくだりがとても眠くてつらかった」と言っていた。わたしは特に自分の感想は言わず、当たり障りのない返事をしてやり過ごした。それが一番いい方法だと思った。
帰り道はすきなひととふたりだった。ほんの10分、電車に揺られながらとりとめもない話をした。別れ際に「なんかごめんね」と彼は言った。「どうして謝るのですか」と聞いたら、「映画がつまらなかったから」と言われた。彼にとっては本当につまらない映画だったのだな、と思った。わたしはそれに対する答えが何も浮かばなくて、苦笑いをしながら適当なことを言って電車を降りた。何を言ったかは、忘れてしまった。

昨日、会社の同期に誘われて2回目の「風立ちぬ」を観に行った。二郎の台詞が棒読みだとわかっていたから、それを覚悟しつつ観たところ、1回目で感じたほどの違和感はなかったけれど、やっぱりところどころで気になってしまった。登場人物、しかも主人公に声優ど素人の映画監督を起用するなんて暴挙は金輪際やめてほしいと強く思うほど、二郎の台詞だけがもったいない映画だった。

今公開中の映画では「終戦のエンペラー」を観たいと思っている。公開が待ち遠しいのは「永遠の0」と「清須会議」。「清須会議」は、以前すきなひとが本を貸してくれた。原作がとってもおもしろかったから期待している。
映画は誘われればだれかと一緒に行くけれど、基本的にはひとりで行くのがすきだと思う。映画を観終わった後の感想は誰かとシェアするよりも、自分の中でゆっくりと反芻して、消化して、自分らしく記憶に遺しておきたいから。

遠くの遊園地で花火が上がった。8月になると、毎週末とお盆の一週間は毎日2000発ほど上がるらしい。専ら音しか届かないけど、最後のスターマインだけはベランダから半分ほど見ることができる。蝉の声と花火の音を遠くに聞くときだけは、怠惰に過ごす夏も「いとをかし」と思う。明日からまた一週間がはじまる。憂鬱。