天色

好きな場所で好きなことを生業としながら生きてゆくためのチャンスを見つけたわたしには、それに挑戦しない理由がなかった。諦めようとしても諦められないのだから、「やらない後悔よりやって後悔」することを選ぼうと思った。何事にも慎重になるあまり、石橋を叩きすぎて思いきり割ってしまうような性格のわたしにとって、これはいわゆる「一大事」である。
少しずつ進めていた資格試験の勉強も一時中断。これから2週間は、エントリーシートと2枚のカンバスにひたすら向き合う覚悟。意志あるところに道が通ずるのなら、わたしはその「意志」を他の誰よりも強く持っていたい。

無論、こんなチャンスを自分のモノにするなんて、絶対に届かない夢でしかないことは百も承知の上。でも、挑戦しなければ“絶対”は「100%」であるし、逆に言うと、挑戦さえすれば、そんな“絶対”の中にも限りなくゼロに近い可能性が生まれる。
僅かな可能性に賭けた結果、悔しさに涙を呑むくらいなら、はじめから可能性の芽を摘み取ってしまえばいいと思っていた。今までは。だけど、今回ばかりはどうやら違うらしい。「あのとき挑戦しておけばよかった」という後悔だけはしたくない、と、直感が働いたからだ。「やってみたい!」ただそれだけを、強く、強く、思ったからだ。

日曜日の朝、新聞を広げた父親にじゃれつく小さな姉妹。
5月、小高い丘の上で草を食んでいる知床のエゾシカ。

もう、迷うことはない。これからの2週間に全力を尽くすのみ。