露草色

「これから一生裕福に暮らしていけるくらいの宝くじが当たったとしても、僕は仕事は辞めないな。だって毎日つまらないですよ、ぼーっとしてるだけではボケちゃいますからね。」とは先輩の言葉。ふむふむ、確かにそうかもしれない…と素直に思えるくらいには、自分の仕事をありのままに受け入れられるようになってきた。社会人も4年目になって、(仕事をする上での)自分の悪い癖なんかも客観的に見られるようになったのもひとつの成長か。
「石の上にも三年と言うでしょ。だから、まずは会社に3年いてみたらいい。がんばるのは4年目からでいいじゃん。その頃にはきっと、辞めたい、なんてめったなことがない限り思わなくなってるから。」とは母親の言葉。さすが親だ、わたしのことを恐ろしいほどによくわかっている。「仕事が嫌」と愚痴ばかりだったあの頃のわたしも、この言葉があったからがんばれた。

父の日。我が家は貧しくも裕福でもないが、何不自由なくここまでやってこられたのは、父親が会社で一生懸命に働いて、母親がしっかりと家を守ってくれたから。両親を疎ましく思うこともあったけど、ひとり暮らしを始めてやっとわかったよ。今なら心から「ありがとう」と言える。

雨が止んで月が覗く夜空。わたしは今日も、元気。