藤紫

思い出さなくていいことばかり思い出しては、ため息をつく。そんなふうにして、ゴールデンウィークがスタートした。
すきなひとに「すきだ」と言えなかったこと。次にすきと思えるひとに出会ったら、そのときはちゃんと「すきだ」と言おうと決めたこと。でも、いま、すきかもしれないと思うひとは、わたしが「すきだ」ということを伝えてはいけないかもしれないひとだった。思い出なんて、歳の差なんて、なにもかも、消えてなくなってしまえばいい。

ドライブをした。釣りに行った。BBQをした。すこしは気が紛れるかと思ったけど、なんてことはない。家に帰ればいつもどおりの「わたし」に戻っていた。まわりがどんどんしあわせになっていくことが怖いと思う。「よかったね」なんて上っ面の言葉でしかないことは、自分がいちばんよく知っている。二十代半ば、そんな年頃か。

今日はドライブの車中で見つけた藤棚がきれいだった。明日は混雑を覚悟の上、新宿へ出かけて本屋を物色する予定。