緋色

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小学生のころからの古い友人と、ワンコインピザを食べながらワインを飲んだ。お昼間に飲むアルコールは酔いが回って仕方ない。お互いにひとしきり仕事の愚痴をこぼしてから、煮え切らないあのひととのこととか、昔懐かしい思い出話とか、今朝起きた長野の地震のこととか、楽器を再び始めようと思っているとか、キタサンブラックが9着だったことなんかをだらだらと話した。
5月に30歳を迎えた彼女にプレゼントをあげた。茶葉を煮出しすぎないように調節できるティーボトルと、ほうじ茶のティーバッグ。彼女に会うとき、必ずと言っていいほど仕事の愚痴を聞く羽目になる(でも、わたしにとってはそれが非常におもしろい)のは、がんばり屋さんでしっかり者の彼女だからこそ。そんな彼女に少しでもほっと癒される時間を…と思って選んだもの。「そろそろ水筒を買い替えようと思っていたの!」と、彼女はとても喜んでくれた。すごくうれしかった。

帰宅して、夜ごはんを食べながらふと西の窓に目をやると、空が“燃えていた”。慌ててスマホのカメラで写真を撮ったけど、せっかくなら一眼レフで撮ればよかったな。
この夕焼けを、あのひとだったらどんなふうに切り撮るだろう。
ふと、そんなことを思った。

霞色

仕事がうまくいかない。職場のとある男性に腹が立つこともしばしばで、イライラもストレスも最高潮に達し、職場で暴言ばかり吐いている今日このごろ。こういうことが続くといつも、「仕事辞めたい」って思う。どうしたら働かずに生きていけるだろうか。最近は毎日そればかり考えている。

多くのひとが悲しみに暮れた金曜日は、まもなく土曜日に変わろうとしていた。わたしは新宿で友人とごはんを食べて横浜に帰ってきた。お酒を飲まなかったから、ずいぶんと遅い時間だったものの、めずらしくシラフだった。
終電が迫り足早に駆けていく人々。酔いつぶれた友人を介抱することすら楽しそうな学生たち。駅構内の柱にもたれかかり名残惜しそうにいちゃいちゃするカップル。早くも帰ることを諦めて地べたで眠りこけるサラリーマン。どういう理由からか、涙を流して話し込んでいる女性二人組。
それぞれがそれぞれに、悩みを抱えながら生きているのだろう。わたしは混雑した横浜駅でふとそんなことを考えていた。

髪がロングヘア―になりつつある。人生初の長い髪。切りたい。

透明

日曜日。雨が降り続いている。

会社の人に誘われて、クラリネットを再び始めようと思った。
社会人になって何度も楽器をやりたいと考えたけど、2年ごとの転勤や転居のために地元の楽団に入ることは諦めていた。最近になってようやく横浜に腰を落ち着けることができそうだと思い、市内の通いやすそうな場所で活動している楽団を探してみたものの、日曜の夕方から夜にかけて集まっている団体ばかりであまり気乗りがしなかったのだ。(せめて日曜の昼間なら…というのが社会人としての心情ではないだろうか。…え、わたしだけ?)

そんなこんなで大学を卒業して以来楽器には一度も触っていなかったから、楽器を点検してもらおうと思い立ち、高校のころからお世話になっている楽器屋さんを約10年ぶりに訪ねた。久しぶりに訪れた新大久保はまるで異国の雰囲気で、路地は台湾で嗅いだことのあるような不思議なにおいがした。
楽器の保存状態は比較的良好で、オーバーホールまでは必要ないとのこと。7ヵ所のタンポの交換と全体調整だけで済むようだ。オーバーホールになったら確実に5万円は飛んでいくよなぁ…と、夏のボーナスでの出費を覚悟していたから、浮いたお金でリードとリードケース、マウスピース、リガチャーなどの小物類を買い直すことができそう。しばらく楽器は入院することに。元気になって帰っておいで。
楽器屋さんには、わたしの後輩と思われるブラスバンド部の高校生たちが10人ほど集まっていた。声をかけてみたらやはりそうだった。懐かしいな。部活のあと、暇さえあればこの楽器屋さんに集まってリードを物色したり新しいリガチャーを試したりしていたものだ。高校を卒業して10年以上が経つけど、今もこうしてくだらない伝統が引き継がれているのがなんともうちの高校らしい。本当の意味で頭のいい人が多かったけど、こういう無駄なことを思い切り楽しめる人も多かったと思う。

仕事で文章を書いたり読んだりカメラで写真を撮ったりする機会が多い分、なんとなく書くことから遠ざかっていた。久しぶりの日記で、なんだか文章の書き方を忘れてしまったな。